三間飛車党の研究

コーヤン流の捌きに憧れつつ真部流をこよなく愛する筆者による三間飛車の研究。時たま将棋界ニュース。

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勝又清和-中田功戦(2009年1月20日、順位戦C級1組)

試しに。もう7年も前ですが順位戦棋譜です。当時の段位が分からないのでタイトルは敬称略で失礼します。

 

勝又先生の先手で急戦模様に

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △4四歩  ▲4八銀  △3二飛  

▲2五歩  △3三角  ▲6八玉  △6二玉  ▲7八玉  △4二銀  
▲5六歩  △5四歩  ▲9六歩  △9四歩  ▲5八金右 △5二金左 
▲3六歩  △7二玉  ▲6八銀  △8二玉  ▲5七銀左 △7二銀  
▲4六歩  △6四歩  ▲6八金上 △7四歩  ▲3七桂  △2二飛(図1)

  

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▲6八金△7四歩が入っているのが工夫だが、基本的な急戦の形で▲3七桂に対応して△2二飛車と回ったのが第1図。ここから基本通りの仕掛け。

(第1図から)

▲5五歩  △同 歩  ▲4五歩  △4三銀  ▲4六銀  △5四銀  
▲5五銀  △同 銀  ▲同 角  △6三金(第図2)

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通常なら△4三金と受けるところだが、△7四歩が入っているので△6三金とうける。

(第2図から)

▲4四歩  △4二飛  
▲2四歩  △4四飛  ▲5六歩  △5七歩  ▲5九金  △5八銀  
▲同金上  △同歩成  ▲同 金  △7五歩  ▲同 歩  △3五歩  
▲7四銀  △5七歩  ▲5九金  △3六歩  ▲2五桂  △7七歩  
▲同 玉  △4六飛(第3図)

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少し長くなってしまったが、コーヤンは角が好きな駒であることが分かるように、△4四飛と飛車を犠牲に角の活用を図った。当然とってくれないのだが、7筋の先手の玉頭の弱点に手をつけてから3筋に手をつけて相手の攻めを焦らせる。そして第3図で飛び出した△4六飛車。コーヤンはやっぱりこういう手が好きだ。この角のラインを生かした4六飛車はコーヤンの急戦を見ているとしばしばみられる手で、参考にしていただきたい。

(第3図より)

▲3三桂不成△5六飛  ▲6六銀  △7六歩  ▲8六玉(第4図)

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なんだかんだで均衡の取れていた局面。結果的にこの▲8六玉が敗着だったようで、上が手厚いことよりも冷静に▲8八玉としておくほうが勝ったようだ。以下

△5五飛  ▲6三銀成 △同 銀  ▲5五銀  △8八角 (第5図)
▲2二飛  △7二金  
 まで、74手で後手勝ち

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八角と打たれて逃げ道を絶たれては先手が厳しかった。

急戦の急所となる3筋5筋7筋を絡めた攻め方と、角のラインを意識した軽い捌きが参考になる1局でした。